江藤弘(58)

ーではこの写真を、このレコードの写真をなぜ大切なものとして選んだかていうところを。

うーん。えー、まあ高校の頃位から音楽に興味を持ち始め、えー、少しずつ買い集めて行って。まだ大学時代までは、30、20枚程度かなあ、くらいしか持ってなかったんですが。
えー、レコードの卸という会社に就職しまして、そこで社員割引で低下よりも安く買えるということで、どんどんそれにお金をつぎ込んで収集したというわけです。
で、およそ1000枚くらいあるんですが、自分の半生とまではいかなくても、それだけかかって集めたものだから、やっぱり、えー、家族の次に大切なものという感じかな。


ーそしたら、家族はなぜそれで選ばなかったんでしょうか。

いや、えー、普通みんな家族とか真っ先に挙げるかもしれないけど。
うーん、僕の場合はその、えー、そういう普遍的なものよりもなんか自分のえー趣味の分野のコレクションということがまず頭に浮かんだということですね。


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ー半生かけて集めるのに夢中になった理由というか、魅力だったりとか。

うーん。そうね。
やっぱり、えーっと音楽をどんどん聞いていくと色んなもの、あの、オーディオマニアっていう人がいて。その人たちは、あの、音を出す機械の方をどんどん、あのー、はまっていくわけだけど。
それに対して、あの、音はそこそこ聞ければいい、だけど色んな音楽を聞いてみたい、吸収してみたいっていうタイプの人がいると思う。僕の場合はそっちの方で。
えー、例えばあるアーティスト、例えば好きになったら、その人の出すアルバムを全部そろえていくようなそういう買い方をしたりとか、うん、まあとにかく夢中になるっていうことかな。
で、持っていずにはおられないていうか、そういうのでやっぱ買い貯めていったっていうことかな。


ー大切なものとして挙げてるっていうのは、自分が生きてく中で、半分くらいの人生をこう共にしたじゃないですけど、そういうのが強いから。

そうだよね。あの。うん。やっぱり、欠かすことのできないもの。いつも身近にやっぱり音楽ないとだめだし。

ーそれなかったらどうなっちゃうとか。

うーん、どうなるだろうね。寂しいのは当たり前だけど、長く続くとそれが精神に支障をきたすかもしれない。そういうところまでいってるかもしれない。


ー逆に音楽があったから、レコードがあったからよかったこととかあったりしますか。

そうねえ、うん。まあ喫茶店という仕事をする場合にこのレコードはやっぱり、役に立ったよね。あの、店の壁面にずっとレコード並べて、やっぱりまずお客さんの目がいって、ああすごいですねえって。まあそれも多少自慢ではあったけど。
それで、えー、最初有線放送とかの営業から、ね、営業の話もあったんだけど、これだけあるから全部BGMはこれでまかなうからって言って。まあ、お店のBGMに役立って。


ーコーヒーじゃない理由も不思議で、レコード。喫茶店のお店だったりとか。

音楽にもこだわりがあったってことかな。

ーそっちの方が強かったことですかね。

うん、うん。
最初はね、ジャズ喫茶を、みたいなのをしたいなっていう気持ちもあったのよ。だけど、いわゆる時代の流れでもうジャズ喫茶店のほとんど廃れてしまっていて、それで生計を立てるのは非常に難しいんじゃないかなということで、やっぱり一番肝心なコーヒーということに力を入れなきゃいけないな。で、えー、そういう、こういう専門店に入ってアルバイトをして始めたわけだけど。
だから、単なる、僕のコーヒーに、喫茶店のコーヒーに付属品ていうだけでなく、大部分を占めてたのも音楽であるっていうことなんだけどね。そういうとこかな。


ー生活を共にしてきたみたいな。そんなところですかね1000枚。

そうだね。


ーこの大切なものっていうのを一言で表すとどんなものになりますか。レコードを。

一言。うん、えー、そうね。大げさかもしれないけど体の一部。

ーそれくらいもうなくなったら痛いていうことですか。

そうねえ。


ーやっぱりこう特別な思い入れが強い。

そうだね。


ーそしたら次は、自分のこれからの夢ていうか、どういう風にやっていきたいとか。

夢。うん、まあね、商売始めて27年間だけどがむしゃらにやってきたんで。
なかなかね、それが成功したってわけではなく、非常に家族も犠牲にしてるし、自分もきつい思いをしてやってきたんで、まあこの移転をきっかけに少しのんびりと、ゆったりした感じで、まあ半分余生を過ごすような、そういう気持ちでやっていきたいなと。


ーお店に限らずで夢はいいんですけど、お店がやっぱ強いですか。

そうね。あの生活の糧ていうか手段ではあるので。うん。
うん、その他には特に夢は今んとこ考えてないかな。


ーどういう風にお店をこうしていきたいとかも考えて。

うん。そうね。
まあ今までみたいにその町中じゃないんで、来るお客さんも少なくなったと思うし、今の時代、ネットの時代って言われるけどそれにまあ半分乗るような感じで、コーヒー豆のネット販売そういったものに力を入れいくってなのが、近い具体的な思いかなと。


ー街から森というかあっちの方に移してゆっくり、コーヒーをひきながら。

健康を取り戻しながら、残り半生を生きたいっていう感じかね。


ーそこにはやっぱりそのレコードもついてくる。

そうだね。


ーじゃあなんか本当にもう、自分と常にあるもので。

そういうことになるよね。


ー夢の中にも自然と入ってきてる。

うん、そうだねえ。