匿名希望(23)

いやー緊張。


ーじゃあまずはなんでこれが、その宝物として写真に選んだか。

なんでか。うーん、まあこれには収まりきらないんだけど、なんだろう、大学で出会った人たちと、多分、なんだろう、こういう環境で育ってなかったら出会わなかったし、金で買えるものじゃないからていう意味でこれを選びました。


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金で買えるものじゃないっていうこと、と、そうですね、なんでか。
なんでかってどう答える。なんで大切かってこと。


ーなんで大切なものなのか、なんで宝物としてこれを選んだか。

まあ、なんで宝物として選んだか、一番大切だからですね。
なんで大切か、まあ俺が人を大事にするタイプだからだろうね。だからこそ、なんか、これってさ俺らの卒業のために集まってくれる人たちのことは大切だなって思うかな。


ーなんか自分を大切にしてくれる人が大切みたいな。

ていうか、まあ人との繋がりが俺の中で一番大切だから、それは絶対に金で買えるものじゃないし、なおかつ、まあなんていうんだろう、奇跡に近いものだと思うのね。
こんだけ世の中でいっぱい人がいてさ。大学に入って、そのサークルに入ってじゃないと出会わない人たち。だからこそ、まあ貴重なものだなって俺は思う。


ーじゃあこれが、例えば小中高の友人じゃなかったりとか、大学のサークルじゃなくて学部の友人じゃない理由っていうのは。

なるほど。まあ一番、俺が大学時代に時間を費やした人たち、っていうのもあるし、まあ中高の友だちっていうのも考えたんだけど、中高の友だちはなんかもはや一緒にいるのが当たり前すぎて、大切っていうかもはや自分の一部みたいなそんな感じ。
大切だなって思うのは大学、まあ俺が大学生だからっていうのもあるかもしんないし、もうそろそろ卒業が近いからっていうのもあるかもしんないけど、その大学時代の大半を過ごしたこのサークルの中で出会った人たちかなっていう風に思ったかな。


ー人っていうのは、その人と過ごした経験とか、ていうのももろもろ含めて。繋がりっていうものが大切だと思うのか、その人と過ごした時間だったりとか思い出とかが大切なのか。

そうだね、トータルでって言えばトータル。そりゃそうだよ、人だけが大切ってことはないでしょ。
そういう風な感じで選びました。


ーその人たちをなんでそう大切にするようになったか。なんで大切にしてるかっていうところを。

なったか。
うーん、なんだろうね。
ああ、就活中もけっこう、自己分析のコアな部分だったんだけど、基本的になんだろうな、自分のことよりも他の人のことの方が重要っていうタイプなの。
まあ、なんて言うんだろう、他人本意っていうかさ、他人本意っていうと悪い意味に聞こえるかもしんないけど。
まあ相手がしてほしいようなことを、俺がしてあげて、それでありがとうって言われるのが一番嬉しい瞬間だったりするから俺の。
だから、まあ、なんだろうね。
その周りの人たちって、すごい俺の中では貴重っていうか重要な存在で、うーん、だからまあ人をすごい大切にするのは俺のコアな部分なんだよね。

なんでかって言われると難しいんだけど、まあ小学校の時にさ、今も割とワンマンなところがあるんだけど、もっとB型色が強くて、すごい自己中だったの。
なんか、なんだろ、ジャイアンみたいな感じ。うん本当にそんな感じだったの。
スポーツもできたし、なんか割となんでもみんなより上なタイプだったから、割とそのほんとにジャイアンみたいな感じだったんだけど。
それで1回まあけんかっていうか、いじめ、いじめって感じでもないんだけど、まあ仲違いして、けっこう孤立した時間があって。
俺の中では割とそれがトラウマな感じがあるから、それから、まあ小学校卒業してから、中学校になるくらい、あたりから、すごい周りの人、もちろんなんて言うの、自分がやられてやなことって絶対人もやられてやじゃん。
だからそういうのもしないように気をつけてたし、自分がやられて嬉しいことって、必ず人もたぶんやられて嬉しいと思うから、まあそんな感じで、まあよく人の気持ちを考えて動くようになったていうところがきっかけなのかな。
多分それかな、一番のきっかけは。


ー多分これで大切にするようになった。孤立しないためにってわけじゃないですけど。

うん、まあ最初はそういうきっかけだったのよ。
相手のまあ気持ち考えてっていうのもそうだったんだけど、まあやっぱり人に喜んでもらえると嬉しいっていうところから、まあいろいろ、そうだな、大切に、大切にってところには繋がらないか、確かに。
まあでもだからこそ、別に俺それで気をつけてるわけじゃないけど、そういう俺の周りに集まってくれてる人たちは、やっぱ大切、にしたいよね。
うん。


ーその人たちからこう得たものとか、感じるものとか。

得たもの。得たものいっぱいあるよね。
まあ先輩後輩同期で分けて考えると、なんだろう。得たものか。

まあ先輩からは、なんだろうなあ、やっぱり同世代の人たちにはない視点みたいなのがあるやん。やっぱり俺らとおんなじレベルで考えてるわけじゃないとこがあるわけよ。まあけっこう30近いからさ、現実を見てる部分もあるわけよ。そういうところで接する、そういうところで接することができてるっていうのは、先輩に関してはすごくいいこと。
やっぱすごい頭のいい人たちだったし、一年の時からずっとかわいがってもらってたからそれはやっぱり視野は広がった気がするよね。1,2年の時に1,2年の人としか話してなければ、多分同レベルの考えしか生まれなかったと思うけど、やっぱ4年生で、ちゃんと就活も乗り越えてきた人たちと仲良くできるのはすごい視野広がったのかなっていうところ。

で、同期に関してはなんでも話せるし、いい相談相手になってもらってるていうか。まあ就活の時も助けてもらったり。なんか、なんだろうな、まあ色んな、なんだろうなあ。去年片思いしてた人がいたんだけど、そのこと相談したりしてたし。まあなんか、一番安心できる存在ではあるよね。ていうか、やっぱ4年間一緒にいたし、例えば、合宿とかでさ、俺が1人で参加するっつっても、あとから同期のやつらが来るとやっぱりすごい安心するし、飲み会とかで同期に会うとまあ安心する。だから一番心が落ち着く。それが同期。

まああと後輩は、若さもらってますねって感じで。なんだろう。まあ本当は社会人になってる年齢ていうか学年なんだけど、まあ今サークル残ってるんだけど、それでもやっぱり後輩と過ごしてると楽しいってのもあるし、まあエネルギッシュに今のところ過ごせてるのは後輩のおかげかなってのはあるかな。

得たものね。まあでもそれが大きいかな。あと、サークルですごい人との付き合い方学んだかなっていうのはあるかな。なんか大学ってさ1年から4年までいるわけなんだけどさ、高校の時って同期とか、まあ部活の先輩くらいしかからまないんだけど、サークルっていい意味でも悪い意味でも上との壁がないじゃんあんまり。
だから、こう、年上との付き合い方とか、年下との付き合い方意識する場面けっこう多いと思うけど、そういうところの付き合い方を上手く学べたかなっていうのはあるかな。


ー人との、その、繋がりっていうのは、今、これまでのことを話したんですけど、これから先も多分大切にしたいと思うんですけど、なんでそれは大切にしたいんですか。
そうだねえ。人との繋がり。なんでか、うーん。うーん、そうだねえ、うーん。
例えばさ、1人で暮らしていけるくらい強い人間だったら、強い人間じゃなくて頭のいい人間だったら必要ないかもしんないけど、まあ俺は多分平凡な人間だから、これから生活していく上でどっかのコミュニティに入らないと、お金をもらえないだろうし、まあ生活していけない、社会の一員になれないんだよね。
で、集団で生活する上では、やっぱりその集団の中で上手くやっていく必要があると思うから、まあそういう意味でも、ちゃんとした人との繋がりを切らずにっていうか、上手く繋いでいける人間じゃないと人生楽しくないかなとは思う。
これからの人生考えるとそんな感じかな。


ー例えば今のこのサークルの大切な人たちっていうのを、ずっと大切にしていくことってのはなんで大事だと思いますか。
そういう意味で。そういう意味でか。ああなるほど。なんでか、なんでか。
あんまりなんかあれだ、考えたことなかったけど、確かにあれだよね、
それまでのコミュニティと一切さ、コミュニケーション断っちゃう人もいるじゃん。
なんか、なんだろう、年1くらいで会えばいいやみたいな人もいるけど、なんだろうね。
確かに俺そういう気になんないんだよね。なんでだろう、まあ好きだからだろうね。
多分、うん、好きだからかな。サークルで接した人たちって、嫌いな人全然いなくて、このコミュニティの中には。だからもう単純にこの人たちのことが好きだから、もう本当に全員好き。みんな、このサークルの中に今いる人たちは。
だから、社会の一員になるとか云々を抜きに、単純に人として好きだから、今後も付き合っていきたいって思える人たちだからかな。
それ以外言えないわ。


ーでは、そしたら今度は自分の夢について。やりたいこととか、これを目標に今は生きてるとか、漠然なものでも具体的にあってもいいですけど。

夢。夢か。
あのね。一番、一番自分がやりたいこと何かって言われたら、自分の仕事、自分が仕事をしたうえで、人の生活が少しでも快適になったり、人がこう暮らしていく上でちょっとでも過ごしやすいような社会を作れるような、そんな仕事がしたいなって。
で、それは日本に限らず、その便利だなって思える人が少しでも多い方がいいなっていう風に思ったから、今はそういう仕事に携わりたいっていうふうに思ってる、かなあ。


ーそれはなんで思ったんですか。

なんで思ったか。うーん。最初のきっかけは、なんかある会社のセミナーに行った時なんだけど、そのとき全然興味なかったんだけど。
キャッチフレーズで、そこの製品て世界で一日20億回使われてますと、だからその1回使うことで1回価値観を変えられるような、そんな製品を作りたいみたいなこと言ってて、1×20億っていうキャッチフレーズでまあセミナーをしてたのね。
でなんか俺はそれにすごい惹かれたのね。なんか自分がやったことで、その人が少しでも感動できるとか、まあ、なんて言うんだろ、ああ便利になったなとか、そういう風に喜んでもらえることができるのはいいなって思って、日用品メーカーとか受けたりしてて、それがきっかけだったんだよね。なんでかって言われると難しいね。
まあさっき俺が言ったようなことではあるんだけど、なんか人のために動くっていうのが、一番俺のなんていうの、行動力の、なんていうんだろ、原動力っていうか、源になってるから、そういう風に人の生活と関わって生きていくようなその仕事をしたいなって思ったから、ていうのがまあ理由の一つかな。


ーそれは、会社に入って、ていうか、会社を利用してっていう言い方になるんですかね。

うん利用してだね、確かに。まあなんか世界中、多ければ多い方がいいって言ったけど、やっぱり今の日本で一番世界を相手にそういう仕事ができるのって商社だと思って、それも今の会社を受けた理由の一つ。
ものがあるわけじゃないんだけど、多分いろんな頭使って、価値創造ができると思うから、そういう点でまあ今の会社を選んだってのはある。


ー日本に限らず、世界っていうのできるだけ広く、できるだけ多くの人に。

うん。そうそうそうそう。単純にその自分が価値を変えられるっていうか喜ばせてあげられるような人が、まあ日本より世界の方がパイがでかいからっていう単純な考えです。


ーそのセミナーに行く前にも、行ってなんか感じたってことは、その前の経験とかっていうのが影響してると思うんですけど。

なんか喜ばせてあげることでってこと。それこそあれよ。さっきの人を大切にみたいな、そういうところから。


ー小学校の時の環境から。

そうそうそう。
単純に、その、他人と関われるような、本当に身の回りの人だけじゃなくて、そのもっとでかい周りの人も喜ばせられるようなそういう仕事がしたいなって、多分思ってたんだろうね。心のどっかで。


ー小学校のその記憶っていうのが、記憶というかそこで思ったことが、人を大切にするってことに繋がってるし、夢にも繋がってる。

うん、そうだと思う。割と、うん、俺の人間がその小学校のとこで形成されたっていうのがあるから。


ーこっちがある意味で宝物になったりはしないんですか。大切なもの。

宝物ねえ。あんまり思い出したい記憶ではないからね。宝物にはならないけど。まあ重要なキーポイントの一つではあるから。そこはまあ決して忘れることのできない原点といえば原点だよね。
うん、確かにそういう意味で言えば宝物っちゃ宝物なのかも。それは思う。




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