暗闇の中で

昨日、ダイアローグ•イン•ザ•ダークに行ってきました。
暗闇の中を約90分、視覚障害者の方の案内の元、いくつかの部屋を進んでいくエンターテインメントである。

 

小学生の頃に一度行ったことがあり、大学の授業で紹介されたことが理由でもう一度訪れたいと思い、今回再び訪れました。
小学生の頃に行ったといっても、記憶はもうほとんどなく、とにかく不思議な気持ちになったことだけを覚えています。
行きたいと思う人もいるかもしれないので、ネタバレしないよう注意しながら書きたいと思います。

 

このエンターテインメントができたのは1989年のドイツだそうで、日本には99年に初開催され
2009年からは東京渋谷区で長期開催をし(現在も開催中)、常設化を目指しているそうです。
季節によってコンテンツは変化し、またイベントも不定期に行われるようで、何度行っても楽しそうな施設です。

 

さて、おそらく約10年ぶりに体験した感想に入りたいと思います。
暗闇は本当に真っ暗で、何も見えない中を最初は声を頼りに進んでいました。
白杖という杖を持ち、その杖で周りを確認しながらゆっくりゆっくりと。
その中で匂いや白杖で触った感覚、人の声に対する反応というのは徐々に研ぎすまされたように思えます。
前に進む時、声を聞いてどっちの方向にいる、どれくらいの距離っていうのはなんとなくわかるが
やはりそれでも足を踏み出していくことは恐怖感がある。
しかし、そこで人との身体接触があるととてつもなく安心した。こっちには進んでも大丈夫なんだ、ここに人がいるんだという認識。
このように考えるとまるで僕が人を盾に進んでいるようですが、ちゃんと前を進んだこともあります。その時はやはり怖いです。
ただ周りも同じ状況なので、自分が得た情報を周りに伝え必要な場所では手をとって進んでいきました。

 

一番に感じたことは、普段視覚からの情報はとても多く、それが失われた時にあらゆる手段を使って敏感に他の感覚から情報を得る自分に驚きました。他の感覚からこんなにも情報を得られるのかという気持ちです。
音や手触りは本当に視覚の代わりを大きくしてくれたと思います。
身体感覚以外では、普段より声を出すようになったと感じます。
普段、初対面の人と話す以上に暗闇では人と話すようなり、自分が得た情報を相手に伝えるのにも声を使っていたのでいつも以上に口を動かしていたと思います。周りへの思いやりの気持ちもいつもより強かったのではないかと思います。

 

 

環境を変えるだけでこんなにも行動が変わる人間に、また深く興味を持ってしまいました。

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