田中大和(22)

ーこの写真をなんで選んだのか?

なんで選んだのか。
これは、3ヶ月いろいろあった集大成としか言えない。
なんか質問で引き出してくれると。


ーこの旅自体が?

自分ががやりたかった自転車で横断、
わざわざね学校休んでね、
ちゃんと春学期に体育とって、やることやってレポートも書いて、そうこっち出てきて。


地平線の果てまで走りたいということで、
地平線の先まで切れてる道路を、すげえ長い一直線の道路を
自転車で走りたくて行ったんですけど。
ものの見事に2週間で轢かれてしまい。


ーよく心折れなかったよね

いや超楽しかった。
やっぱねえ、危険…なんか自分の命を危険にさらすのが好きなんですよ。
ひりひりした感じがすごい好きで、それで旅に出ちゃうんだけど。
スリル…、スリルを楽しみ、あんまりねFUJIYAMAとか乗るのは好きじゃないんだけど。
なんだろうね、お化け屋敷とかは苦手なんだけども、
まあなんか旅に出るとひりひりしまして、それで旅に出て。
なんか自分の力で生きてるってのがすごい楽しくて旅に出ちゃうんですけど。

宝物-田中大和















ー今までの旅行と違うのは期間ですか?

期間と濃さと。


逮捕されーの、ネバダねえ
1500mと2500mあるんだけど
ネバダのシエラネバダ山脈とかが
最初の1週間くらいで来ちゃって、
それ頑張って乗り越えて下って、
次砂漠に行くんだけど。





砂漠入って、人がいないから砂漠と言いますか、
すごいなんにもないんですよ100マイル単位で売店なくて。
だから朝町出る時に水とか食料とかちゃんと買っとかないと、
途中になんにもないから死ぬんすよがちで。


ていうのがあって、せっかく友人のいるソルトレークの近くまで来たんだけど
あいにくトラックに轢かれてしまい、で、運良く助かりーの、友人に電話して、
ちょっと車持ってる友だちいないって言って、呼んでもらってソルトレークまで行って、
でなんだっけ、自転車やめたのが、バッグが壊れちゃって。


それでこれは無理だわって言って、バスで南行って、
そうそこでホステルとかで知り合った人に自転車売って、
そこらへんちょっと日本人たちとセドナとかグランドキャニオンとかぶらぶらして。


で、ヒッチハイクしようと思って。


ーなんで思ったんですか

色んな人と出会っていくうちに、人と喋るのがけっこう楽しいわってことで
どうせ移動手段もそんなないし、普通にバスで行ってもすぐ終わっちゃうから、
なんかやっぱり苦労しようって思ったんだよね。せっかく来たから時間あるし。
ちゃんとヒッチハイクで横断したんやで
って言いたいがためだけに、西の端までまた戻って。


まあ無事に西海岸のサンディエゴとかメキシコとかでぶらぶらしてたら、
12月入っちゃって、全然そろそろヒッチハイクしないとやばいってなって、
ヒッチハイクして、まあ運良くNY行きのトラック一本で捕まっちゃったから、
NYにすぐすぐ、なんか一週間くらい一緒にいたんだけどトラックの中で。


まあそんないろいろな苦労がつもりにつもってここに至って、
こんな満面の笑みをしておるんですが、

苦労が集約されているそのゴール地点に着いたっていう。


ー楽しい苦労?

楽しい苦労ですね。苦労とは言わないかもね。


ー苦しくない苦労?

まあ、努力じゃない、努力じゃないんだけど、
努力なくしてね目的、ゴールできちゃうってのはまあすごいわな。
まあそういう経験ていうのが集約された、
この一枚だけで、その旅の過程とかがいろいろ思い浮かんでくると言いますか。


ー経験がじゃあ宝物って感じですね?

そうですね。そうです。そうです。


ーで、その経験を表しているのがこの写真?
そう。いいこと言うね。いい感じだよそれ。


ーこの宝物ってのが自分の中の役割、性格とか、自分がこうあるとかこう考えてるとか
価値観とかってところで、揺さぶられたとか今の自分の考え方を形づくってるとかって

やっぱり、なんか今までは漠然と会社で働いて、そう漠然と世界を旅行できたらいいな、
世界遺産全部まわれたらいいなくらいに思ってたんだけど、
この3ヶ月を通して、
やっぱ自分は命の危険のあるようなぎりぎりの旅好きだなみたいな思って。


だからちゃんと2年で働いて、2年でやめて、ちゃんと旅に出ようっていう。
だからこの旅の中でも色んな日本人とかにいっぱい会ったから、
ああやっぱこういう道もちゃんとあるんだなって思って、
僕はきっちり24で仕事を辞めて、それから2年は放浪しようって決意に至った旅なので。


ーじゃあ今の夢はもうそれが大きな自分の中の目標?

そうですね。
いや一番は世界遺産を全部回るていうのと長生きするっていうのが。
それね10歳か8歳か9歳の時から長生きしたいって、
お参り行くたびに長生きできますようにやってた。
100歳は軽く越えたいよねえ。


まあ目下の目標は、とりあえず2年で辞めてある程度世界を。
なんか特に目的ないんですけどね。
とりあえず一通り世界を見て回りたいってのが2年後の目標で。
それを決定づけてくたのがこれ(写真)ですね。


やっぱ、なんだろうな、生き方に、自分が好き勝手やりたいだけ一番やれた旅なんで。
3ヶ月自分で考えて、まあけっこう人にも頼った部分は多いんだけども。
基本的には親。50万くらい借金してんだ今。
それ返すために会社に入ったと言っても過言じゃない。
まあ2年で金貯められるとは到底思わないんだけど、
とりあえずアメリカの借金だけは、この会社入って返したいわけですよ。


好き勝手旅して、まあ人間はやっぱ自分が好きなことして生きるべきだなと。
そんなこと言ったら怒られるんだけどね。全然他人のために生きてる場合じゃない。
まあ今までも生きてこなかったんだけど。
なお一層自分の方針を固めた、自分が好きなように生きようとまず、
ぼやぼやしてたら死んでしまうぞっていうのを学んだ旅でしたね。


もともと小学校の時とか、毎年夏休みにおばあちゃんが
小2の時にシンガポールつれてってもらって、
小4の時にアメリカに2週間家族で行って、友だちの家訪ねて、ぶらぶらして、
小5の時にイタリア、フランス、イギリス?なんか周遊旅行みたいの参加して、
小6の時に中国行って、いろいろあったんですよ。


ーその経験が強くて、旅行とか1人で行くとか

そうだね、
でも一番あれだったのが中2の時にイギリスに夏休みに、
3週間くらいイギリスに放り込まれて。
行きはおばあちゃん一緒に来てくれたのに、
じゃあ私友だちとなんかスイスに旅行行くからって、着いた日にどっか行っちゃって。
イギリスにホームステイさせられてスイスにおばあちゃん行っちゃって。


最初はなんかもう、もう何回も海外行ってたけど、
そんな人んち泊まれんわみたいな、
学校やだわって思ってすごいいやいや行ってたんだけど、
1週間2週間経つうちに、おもしろいわって
何がおもしろいと思ってるのかわからないけど、
まあ異国の地で、自分が考えてやってくって。


だいたい日本にいると、他人に甘えるんですよ僕は。
すごい依存しちゃって、もうなんかまあ流れに、
周りの流れにのってぼんやりしてるんだけど、
まあ海外ではなかなかそういうことできないから、
自立して生きていくしか分けないですよ。
自分で考えてあれやってこれやって。それが中2のイギリスで楽しくなっちゃって。


レディングっていう街でホームステイしてたんだけど、
その時に1人でロンドンとか遊びに行って。
なんか海外を1人で別の都市まで旅していくみたいな、
その当時は、今となってはべつになんてことないんだけど、すごいそれが大きかった。


また別の話になるんだけど、すごいインディンジョーンズが好きで、
インディンジョーンズなんかちっちゃいころからテレビでやって、
すげえおもしれえ映画があるみたいな。
俺は一番インディンジョーンズが好きなんだけど、
そういうなんか冒険が好きなんですよ。


要は、まあそういうロンドンまで旅するのがそれと重なる部分があって、
ああ俺はやっぱなんかこういうのが好きなんだなって思ったのが中2だったわけですよ。


まあそんな一番大きかったターニングポイント的なのは中2のイギリス。
けっこうでかい。宝物に近い、そうだねえ、あの時はすごい衝撃だったね。


ーイギリスがやっぱ、じゃあ自分の好きな物はなんなのか気づかされたことで、
アメリカは自分が生きていく上で好きなものをやっていくことが大事だって思わされた感じですね

イギリスがあったからこそここで、まあイギリスの強化版みたいな、
気づいたことを自分の力で、自分の力でって言ってもあれだけど、
自分でやろうと思い立って、自分でチケット買ってやった。
まあ能動的にやった初めての旅だったかな。
ていうのがいろいろなバックグラウンドでこの一枚に集約されているわけです。
まああんま深く考えないで。シンプルに生きてきたっていうか


ー純粋なんだと思いますよ

だからこれ持ってるじゃん。
これも自分が大学でデザインちょっとやったから
できればそういうの生かしたいなって思って、これ真ん中に自由の女神入れたりして。
だからちゃんと考えて、普通にNYとか書けばいいんだけど、
でもちょっとでもドライバーの目に留まってほしいなってこんなん作ったんだけど、
結局こんな見にくいの。
あとで友だちとかに見せるとこれすげえじゃんとか言ってくれるんだけど、
よく見ないとわかんないみたいな。そんなデザインで。
まあ個人的には好きなんだけど。


旅の中では今まで培ってきたものを出さないと生きていけないから。
バンクシー好きだったから、バンクシーって言うのがイギリスにいるんだけど、
それが好きだからステンシルやってみたいなって思ってたんだけど。
まあヒッチハイクのサイン作るのにいい機会だからスプレー買ってきて、
ステンシル作ってってやって、やったりしってたんですよ。


ちゃんと旅の間でも、ちょっとデザインらしいことしようって思って、
毎日欠かさずスケッチ書いてたし、
まあなんか旅の中では自分のやってきた経験とかを全部アウトプットする、
できる、てかせざるを得ないみたいな。
ていうのが旅の醍醐味ですね。
はい基本怠惰だから追いつめられないとやらないんですよ。


ー言い残したことがあれば。

次僕が2年間の旅から帰ってきたら、ちょっと誰か文章を書いてください。

 

 

 

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