安部大世(42)

ースタートさせていただきます。ではその写真をなんで自分のこう大切な物として選んだのか。

うーん。まあ別にアビーロードが大事ってわけじゃなくて、まあ音楽を象徴するもの。
ビートルズの代表作だし、最後の作品だし、まあアビーロードでその音楽が作られたっていうことでまあたまたま選んだだけだけど、まあ別にプリーズプリーズミーでもあのジャケットでも全然かまわないんだけどね。
うん。その大事なものって言われたら、まあ音楽か、音楽かなあって思ったから。


ーそのいろいろものが多分あると思うんですけど、音楽っていうか、音楽じゃなくてなんていうか趣味のものっていろんなものが。なんでそこで音楽が自分の中で大切だった。

うーん、まあねその。みんなその好きの度合いとかさ、まあ趣味で、どれくらいまでどっぷり浸かるかってまあ人それぞれだと思うんだけど、まあ俺のはもうはまりすぎるほどはまったからね。うん。俺が大学行ったのは、音楽やるためだからね。
うん。その、福岡で育ってやっぱ田舎って閉鎖的だからさ、それがすごい俺の性に合わなかったんだよね。うん。で、なんか外に出てーなっていうのをまあ思ってたってのもあるし。その、なんかそういうのをすごい感じる多感な時期に、まあもちろん小説とかもすごいいろいろ読んでたけど、まあ音楽がめちゃくちゃ俺の琴線に触れたんだろうね。

だから、色んなもの好きだったけど、まあ代表格はビートルズね。うん。そんで、なんとも言えない感覚を味わったね。やっぱここにない世界にね、それが自分よりも何十歳もさ上の人たちが、実際にこう作り出してたもので、世界にどんなムーブメントを引き起こしたのかっていのはさ、もう何十年も経ってるから冷静に検証できた時代でしょ。
で、その彼らが与えた影響ってのはそんなにでかかったのかみたいな、のを追いながらね、その音楽の偉大さみたいなのを認識していった。で、で、すごいはまってたんだよね。で、で、自分も楽器やるようになって。で、なんかまあ自分もそういうことやってみたいって思っちゃったんだろうね。うん。それで、まあバンドやるために、どっか行きたいなって思って。でもね、高校生なってさなにしていいかよくわからないから、まあとりあえず大学行けばいいかなって。うーん。
で、まあ一応それまで勉強してきたからね。なんかまあ一応それなりにいい大学行っとかないと、かっこつかないかなって。それで、大学行ったみたいなもんだけどね俺なんか。で大学入ってからも、授業の出席率、消費税みたいなもんだったからね俺は。音ばっかやってたから。音楽学部と言われてたからね。存在しねーだろっていう。んで、まあそのあとも、ね、まあ、いろいろな活動の合間に、活動の合間にじゃねえな。活動の中心に音楽があって、音楽ばっかやってたけどね。もちろんそれ以外のこともやったんだけどね。大学の中で。

でもやっぱそれが続けたくて、結局大学卒業したあとも、結局まともに職に就かないで音楽やってたからね。でも結局俺はうまくいかなかったんだよね。で、もちろん、音楽への、音楽への愛情というの、自分が身を立てたいっていう自己顕示欲みたいな、のっていうのが一致するとまあ素晴らしいミュージシャンになるわけよね。
でもさ、それがうまくいかないとさ、その自分を否定、まあ自分を否定する、自分がまあその世界じゃ肯定されなかったわけじゃない。で、てことはさ、なんかこう、やそれはやっぱ認めたくない自分がいるんだろうね。なんか自分がダメなやつだってあんま思いたくない。まあ、みんなそうかもしんないけど。
ほんで、それに音楽が関わってるわけでしょ。まあだから俺実は、そのバンドを辞めてからあんまりね、音楽をねちゃんとまともに聞けなくなった自分がいるんだよね。
だから、大切なものの定義って難しいよねっていう。大切だからさ、好きだ、好きだから大切だって限んないような気がするんだけど。愛と憎しみは表裏一体って言うでしょ。なんか憎らしい気もしなくもないんだよね。
なんかその音楽がなかったら、音楽と出会ってなかったらまあ他の人生も、全く違ってたと思うよ。俺だって最初あの、別の大学に行って歴史の勉強がしたいって言ってたからね。そっちもいいかなーなんて思いながら、うん、でもやっぱ東京に出てバンドやろうかなみたいな。そういう風にさ揺れた高校時代でもあったしね。だから本当音楽と出会わなかったら全然違った人生になってたね。
まあそれぐらい頑張ってた。

うーん、だからなんかね、俺今ももちろん音楽ファンだけど、すごい、好きだしね。
好きな音楽嫌いな音楽ってすごいはっきりしてるから、変な音楽かかったらすぐテレビ消すみたいなそういう人だけど。なんかさ、自分のね音楽への愛情みたいなものをすごい疑うことが多い。俺は本当に音楽が好きだったのかなあって。
でもさ、どうしようもなく俺の人生のものすごい1Pなんだよね。でも、俺はこれをこう、自己顕示のために使おうとしただけで、本当は俺何でもよかったのかもしれないね。
映画でも、演劇でも。っていうのはすごい感じるね、今。もちろんビートルズのよさってさ、本当いっぱいあるし、まあ他のミュージシャンのよさもいっぱいある。
でもなんかその自分の人生において大切なものっていうテーマで考えると、うーんなんかねそういう言葉が俺は出てきちゃうね。ただ単に、ああこのねジョンのこの声がいいんですよーっていう、もちろんそういうのもあったよ。すげえ。そういうのもいっぱい語れるけど、うーん。


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ー同時にこう昔を思い出すものでもある。

うんうん。もちろん。昔を思い出して、まあ苦々しい思いを感じることも多いよね。


ーでもその音楽ってものがあったから今があるっていうのもこう感じてるんですかね。

うーん、正直にはわかんないんだよね。正直わからん。そんなものがなくても俺は変わんなかったかもしんない。


ーおんなじ今の職業になってたかもしんない。

うん。そうだね。職業もだって別に運命的な出会いとかなんでもないしね。たまたまそうなっただけで。


ー自分がこう生きてきた中をこう振り返ると、一番大きな割合を占めているそういうことなんですか。気持ちとして。

そのはずだったんだ。そのはずだったものがそうじゃなかった。ってわかる。


そのはずだったんだ。そのために音楽に全てを賭けたはずだった。でも音楽無しでも生きていけてるんだよね。なんか非常に屈折した思いだよね。


ー色んな思いが、音楽に対しても自分に対しても、なんか疑問みたいなのも、本当に好きなのかっていう疑問とかもあるんだけど、大切なものって言ったら音楽が出てきちゃう。

そうだね。


ーそう考えてることも大切だから、そういう風に疑うっていうか感じるんですかね。

うん、そうだね。まぎれもなく大きな1Pだからね。なんかそうね、単純なものじゃないんだよね。素晴らしいから好きとか、じゃないんだよね。
素晴らしいと思う。好き、大好きだと思う。んで、それに、それでもう、ね、人生設計はそれに賭けたわけだから。でもうまくいかなかった。不思議だね。


ーでも今普通に暮らしてるというか、音楽じゃないことで生計を立ててる自分がいる。

そうそう全く関係ないね。


ーもろもろがこう不思議な感情というか、いろいろ自分が賭けてきたものとこう返ってきたものというと変ですけど、戻ってきたもの。

うーん。
まあね、仕事は本当なんも関係ないからね。なんか人前に出ることくらいしか共通点ないけどね。
なんか、俺はね、そういうことも自分の人生だから、音楽をやったこともね無駄じゃなかったそういうのに後悔してませんとか言うタイプじゃないんだよね。限りない後悔はあるし。で、なんか不思議なんだよね。うーん頑張って音楽をね弾きたがってないんだよね、自分が。だからそれは、ビビってるていうかさ、その過去の自分を振り返ることをね。うーん。非常にかっこ悪い、そうだなあと自分では思うよね。
だからなんか、音楽やってた先生とかってさ、ギター持って英語の歌みんなで歌おうとかさ、うーん、そういうのやる人って多いんだけどさ。俺一回もやったことない、最も得意なのにね。


聞いたことないでしょ多分。まあ語ると止まらないってのもあるしね。その素晴らしさみたいなのについて、語るってのはすごいできるよね。
うん、だからそのビートルズくらいの、その黒人音楽をベースにしたその白人のロックンロールっていうのをあそこまできれいなハーモニーで聞かせた唯一のグループだし。
で、そのジョージマーティンっていうさプロデューサーの存在がでかいとかさ、まあそういう話はまあいろいろあるよね。まあ、それはもちろんなんか、本に載ってるようなことなんかも俺もいっぱい喋れるんだけど。
うーん。でもその人生みたいなさ、自分の人生においてとかっていう話を考えた時に、まあ人に、それぞれみんな色んな、あの、色んな状況でビートルズって聴いてると思うんだよね。
で、あの村上春樹のさ、ノルウェイの森ってのはさ、そのビートルズのラバーソウルに入ってるあのノルウェイの森っていう曲を最初に、えー、その主人公が冒頭で飛行機の中でさ、ノルウェイの森を聴いて動けなくなっちゃうってところから始まるんだけどさ。それは彼にとってのさノルウェイの森ってのがただ単にいい曲っていうわけじゃないからだよね。だからその人なりの受け止め方ってのがあるんだろうけど、なんか俺にとってそのビートルズは、うんその象徴的なもんだよね。ものすごいさ、今もう映像とか見たり、曲聴いても、おおってなるわけよ。やっぱ聴けばね。うん。
でもね積極的に聴こうってあんまり実は思ってないんだよね、最近。


ー客観的なその素晴らしさっていうか、っていうのはこうわかるし、伝えられるけど。自分のこととなると素晴らしいとかっていう感情なのかどうか色んな気持ちが相まってて、でも間違いなくそれは、さっき言ってたんですけど青春だったりとか。

そうそうそう。うん。うん、もう臭い台詞だけど青春だよね。完全にね。


ー時間とかそのすべてを賭けてきたって、それなんですね。

うん、そう。でもさ。ね。だからでも圧倒的な挫折なわけだよね。うん。完膚なきまでにさ、やられてさ。ね。なんか精一杯頑張ったんで悔いはありませんとかさ、あんまり言えないんだよね。
それは俺の性格がうじうじしてるっていうことかもしれないんだけど。でも、ま、しょうがないよね、そういう性格だからさ。
だからこう、うーん。切り離せないものだけどね。
未だにね、テクニカルなものもわかるんだけど、あ、今ずれたなとか、なんかそういう。あ、この人こういう感じで上手だなとか、あ、こういうテクニック使ってんなとかね。
まあそういうつまんない話もわかるし、それくらい音楽やったんだと思うんだけどね。

まあ俺と一緒にやってたやつらがプロでやってるくらいだから、まあけっこうなレベルだったんだと思うんだけど。でも俺はやっぱダメだったんだよな。そいつらはね上手だったんだと思うんだけど。でも、そういうのってのはやっぱ屈辱じゃない。
自分が、頑張ったことで芽が出なかった。自分はいいと思ったものを人は認めてくれなかった。ていうのを、うーん、今も認められないのかもしれないね。本当は俺の方がいいんだみたいなさ。今も思ってるのかもしれない。
複雑な意味で大切なもんだね。


ー次は自分の夢について。なんかこれからやっていきたいとか、こういう風になりたいっていうことについて。

今の話と全然違って。


ー違ってもいいです。素直になんか仕事ととかにこだわらずに、自分の今一番こうしたい、こうなりたいってことに。

うーん。結婚してね全て変わっちゃったからうん。で、あと子どもができるかできないかによってね、うーん、全然変わっちゃうけど。
もし今のままなんだったら、まあ奥さんと仲良くやりたいなってのが、まあそれかな。
うーん。あんまないけどね。それがすごい大事だなあ。
まあそれとあとやっぱ、旅行行ったりとか美味しいもん食べたりとか、そういうこうのんきな生活がしたいね。まあそんなとこかな俺は。うーん。だからそういう野望みたいなのってのがあんまないんだよね。うーん。


ー昔のその音楽やってたところってのはけっこう野望。

野望しかないよね。うん。俺が日本の音楽シーンを変えてやるぜくらいなさ。まあもちろん仕事は仕事でちゃんとやるけど。まあ今、新しい展開もあるから、他の、この映像でね、映像授業やってみたいなのやってとかっていうのはあるから、まあそれなりには頑張ろうと思うけど。
でもどうせさ、あの、予備校業界はもう子どもいないから、もう先細れするのは間違いないから。うーん、まあ、そんなに夢がないよね。まあ二極化するから、まあ映像とかがやれるようにしとかないといけないなとは思うけどね。それとほら、マスに教える人と個別に教える人とですごい差がついていくと思うからね。うん。まあだからそれはある程度頑張ろうとは思うけど、別に夢ではないねえ。うーん。
俺、もともと夢って好きじゃないんだよね。うーん。叶わなそうじゃん。まあ目標。それはまあ奥さんと楽しく暮らしたいね。そういうのがまあ一番だねやっぱ。それが一番。


ーそれってやっぱ結婚してから思うことだと思うんですけど。

ああ、まあそうだね。


ーきっかけとかって、普通にこう暮らして自然にそう思うように。

うん、そうだね。
別に、なんかある日突然ああとかそういうのはなんもない。まあなんとなく。
まあ、あとはなんか作品を残したいってのはやっぱあるから、やっぱ本当は本とか書いてみたいんだけどね。うーん。
でも結局、忙しさをさ言い訳にあんま書いてないんだけど。あの本て、全然参考書とか関係ないよね。うん、小説みたいなのをさ、書いてみたいなあと。
昔、歌詞を書いてた感覚でね。ちょっと面白いこと書いてみたいなって。ちょっと書き始めたりもしてみたんだけどね。なかなかやっぱ完成させようと思ったらさ、こんつめてやらなきゃいけないじゃん。そうするとなかなか時間が取れないよね。それが、ちょっと今、イライラするとこだけどね。もうちょっと頑張んなきゃって思うけど。


ーなんか言い足りないとか、言っときたいこととか、心に残ってて言ってないなみたいなことってあったりしますか。

言い足りない。ああ心に残ってて言ってない。いやー。


うーん。まあだから夢っていったら、俺ほんとまだ夢の途中なんだよね。完全にね。
だからその、まあやっぱその名を成したかったみたいなのがあるんだろうね。で、音楽で名を成せなかった分、なんかできないかなって今ももがいてんのかもしれない。
なんかさ、俺あのずっと、そのもがいて、その自分はどっちかというとがつがつしてる方なんだよね。その、目標に向かってさ、なんか燃えてないとやだみたいなとこがあるから、逆にその正反対の奥さんとゆっくりやるみたいなのにも、なんかそっちにも惹かれちゃうっていう。それけっこうねあんま両立しないんだよね俺の中では。

だから、そういうのを嫌だなあって思ってた自分がいたんだけど、そういう安寧に暮らしちゃうっていうね。でも、なんかこれはこれでいいなっていう。思ちゃってる、今自分がいるね。なんかだから、結局なんのなんも成さずに、ああなんか平凡に奥さんと暮らして楽しい人生だったなとかって死んじゃうのかもしんない。
最近、それはそれでまあ別にいいんじゃないかなってちょっと思ってるね。でもやっぱ2人でね、いろいろ、旅行とか行きたいしさ。そしたらまあ金稼いどかないと大変だから、自分が仕事も頑張んないといけないんだけどね。そんなとこかな。