村越さよ(37)

ーでは、そしたらこの写真を、自分の大切なもの、宝物としてなぜ選んだのか。

うーん。まあ私の一部だからだね。
で、この子どもたちがいるから家族がまとまってるし、やっぱりいなかったら、なんだろうねえ。
いないってことはもう考えられないくらい、あって当たり前のものなんだけど。そうね、選んだ理由、それでいい。ダメ。


ー大丈夫ですよ。

大丈夫。


ー家族写真とかではなく、この2人っていうのがやっぱ強いですか。

そう、旦那ももちろん大事だけど、やっぱり自分が大変な思いして、10ヶ月お腹に連れてて。で、これ私がいなかったら育っていかない2人。旦那は私がいなくてもなんとかなるけど。そうねえ。
で、私もこの2人がいなかったら、多分もう人生なんの楽しみもなく、喜びも悲しみもなくぼーっと生きてるんだろうなあっていう。やっぱり一番大事な自分の命に代えても守りたい存在。


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ーそれはもう生まれた時から強く思い、お腹にいる時から強く思ってた。

それはね、お腹にいる時ももちろん大事な存在だとは思ってたけど、出て、生まれてきて、で、一緒に生活していく上でどんどんそれは強くなったね。


ーじゃあきっかけとかこうがあって、ばって思うようになったていうよりは。

日々の成長を見て。うん。日増しにその気持ちは強くなる。


あれこれは、そうだね、自分が産んで親としての責任もあるし。
で、自分の育て方一つで子どもたちの将来が、ね、大きく変わってくる。小さい時は特にこう親にどうして、どう接してもらったとか、親に安心感を持って生活できてるのか、そういうのも大きくなったときに絶対結果として出てくると思うから。
うん。責任もそうだけど、その責任は大変だけど、自分にしかできないことだし、何があっても守っていかないといけない存在だなと。


ー感じてる。

もうこれで終わっちゃう。


そう。自分の子どもだから。あとなににも変えられない存在だからね。親になった大抵の人がそれは感じてると思う。


ーそしたら次は話が変わるんですけど、自分の今の夢とかやりたいこと、こうなりたい、こうしたいとかそういう将来ちょっと先のことでもけっこうあとのことでもいいんですけど。

自分が。自分自身。


そうねえ。それ難しいねえ。自分自身がってあんまり考えたことないけど。
普通に生活に困らないくらい稼げて。で、今お店でね、ちょっとお休みに入ったけど、それも細く長く続けて地域の人とも繋がる。で、人に信頼、信頼、信用される、信頼される歳の取り方をしたい。
もう本当に、普通が、普通が一番だと思ってるから。そんなに多くは望まないけど、あえて言うなら、もうちょっとお金がほしい。そしたら生活に余裕が出たら、気持ちにゆとりもでるかなとも思うし。
別にお金は絶対じゃないけど、やっぱりあった、ないよりはあった方がいいなとは。
あとは歳とって子どもたちが育って、自分の手元から離れても、やっぱり仲のいいおじいちゃんおばあちゃんになれたらいい。すごい単純だけど。よく歳とって旦那さんが定年したらもう家にいるのが鬱陶しいとかそういう人の話をよく聞くんだけど、そういう風には思いたくない。


ー普通の幸せを手につかみたい。

そうそうそう。本当にシンプルな。うち母、えっと母が、私が3歳のときに離婚していて、だから夫婦仲良くいる姿っていうのを見てなくて。
で、旦那のお父さんも、私が結婚して2年くらいで亡くなったかな。だからそのお父さんとお母さんが仲良くいる姿っていうのもほとんど目にしてないし。まあ病気だったから。
本当に世間で一般で言う仲のいいおじいちゃんおばあちゃんだねって言われるような、そういう今のこの形をずーっと長くその気持ちもね、ずっと持ってられたらいいなあ。


ーそれはどういう風にとか、どういう理由で思うように。

やっぱね。あの、客商売してると年配の方とかけっこう多くて、そういうもう、働きに行ってた時はいいけど今一緒にいるその空間が苦しいとかそういう話も聞くし。
やっぱり同世代でも、やっぱ家庭でお父さんをないがしろにしている家庭の話をよく聞く。まあ仕事さえやってればどうでもいいとか、あとそれを見てると子どもたちもやっぱお父さん馬鹿にするようになるし。
そういうのを目にしてると、あ、ああいう風にはなりたくないなって。うん。なるべくね、お父さん立てるようにするし、間違ってるって思っても子どもの前では否定しないし。子どもたち、お父さんが働いてくれてるから今こういう生活ができてるんだよっていうのも常日頃から言っていて。まあ感謝の気持ちをお互い忘れずにいけたら。多分、あの、たまーに仲のいい夫婦、老夫婦を見かけると、あ、ああいう風になれるのかなって。
人のそういう、そういう嫌な話聞くと、あ、自分も気をつけようって思う。余計に片親だったからそういうの憧れもあるだろうし。


結婚してまあ3年くらいの時に、なんでこんな人と結婚しちゃったんだろって思って。本当に離婚も考えたんだけど、その時に離婚してもいいけど子どもは渡さないって言われて、それで思いとどまった。で、結果的にそれでよかったなって。
あとはもう、赤の他人が一緒に生活するわけだから、なんでも思い通りにいくってこともないし、当たり前だと思ってることも全く違ったりするし、それをお互い歩み寄ってあの自分たちの家庭を作っていくんだなって理解した時に、やっぱり片方だけで我慢するんじゃいけないし、お互いやっぱ思いやりを持って生活しないといけないなっていう。まだたかだか12年か結婚して。だけどなんかそういうのを気づき始めてるかな。いい結婚生活を送っております。


ーそれを続けたい。

そう、それを、そう、今のこの気持ちのまんま歳とって、お父さん今までありがとうねって言えるおばあちゃんになりたい。


ー美容師をやってたので、その話とかけっこう出てくるのかなって思ってたんですけど。

それはね。どうしてもこの仕事に就きたかったわけではなく、たまたまチャーリーブラウンのボスに高3のときに声かけられて、軽い気持ちで始めて。
で、まあ、他にできることがないっていうのもそうだけど。まあいつか自分の店持ちたいなって思いながらも、無理だと思ってたんだけど。
それは旦那と旦那のお母さんの後押しで、子ども育てながら働きに出るのがちょっと厳しいから、日祝休みじゃないから、そういうの考えるとじゃあ自分でやった方がいいんじゃないって言って、始めた。


どうしても自分がやりたくてっていうあれじゃなかったから。それはもう、あの、生きていくために必要な。それを辞めないと子どもたちがどうにかなっちゃうって言うんだったら、もうそれは簡単に私は手放せるな。
それが生活の一部であって、生活していくために必要な。
まあ、もちろん好きで続けられてるっていうのもあるけど、やっぱり第一優先で考えるのはやっぱ子どもたちのことだね。
だから、日祝休みにしてるし、時間も短くしてるし、学校の行事があればそっち優先で、仕事休んだりするけど。美容院はいくらでもある。
でもこの子どもたちの親は私しかいないって思った時に、やっぱちっちゃいうちはね、まあいつかお母さんなんて学校に来なくていいよなんて言われる日が来ると思うんだけど、それまで、寂しい思いをさせない。


ーそれはその大切な人たちと幸せに生活するためにある。

そうそう。うん。もうそれがもう根本。
だから本当にやる気あんのって仕事やる気あんのって色んな人に言われるけど、まあでも、やる気はあるけど、全てを犠牲にしてまではやりたくないって思ってる。


ー今は全て、この写真の、まあ旦那さんもいるかなって感じですけど。

そうです。


ーが、大切だし、その人たちと、今まで通り、今のように幸せに続いていきたいと。

うん、そうですね。


ーそれが夢。
そう、常に子どもを守る存在でいなきゃいけないって思ってるから、どんなにぐれてもね。そうそう。
そうね、もう本当こっちがあっての、今の生活です。